相続について知りたい
相続とは
民法第3条には「私権の享有は、出生に始まる。」と書かれています。
簡単に言うと、「人は生まれた瞬間に法律上の権利(義務)を持つ存在となる。」ということになります。
これに対し、民法第882条には、「相続は、死亡によって開始する。」と書かれています。
人は、生まれた瞬間から、さまざまな財産や権利を取得し、義務を負うことになりますが、これらの財産や権利、義務がその人が亡くなった瞬間に消滅してしまうのは合理的ではありません。
これらの財産や権利、義務を亡くなった方と一定の親族関係にある人に受け継がせる制度が「相続」であり、そのためのルールが民法その他の法律で定められています。
相続財産の種類
相続財産はプラスのものばかりではありません。マイナスの財産(債務)も相続の対象として相続人が承継するのが原則です。
相続財産の具体例は以下のとおりです。
プラスの財産 |
マイナスの財産 |
- 不動産(土地・建物)
- 現金
- 預貯金
- 株式などの有価証券
- 自動車・家具・什器備品などの動産
- 貸付金・売掛金などの債権
- 借地権・借家権などの不動産上の権利
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マイナスの財産がプラスの財産より多い場合など、一定の場合には財産を相続しない(=相続を放棄する)方が有利な場合が考えられますが、下記の場合には相続を承認(単純承認)したものとみなされて、亡くなった方の権利義務を無限に承継することになります。
- 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。
ただし、保存行為及び民法第602条に定める期間を超えない賃貸をすることを除く。
- 相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に限定承認または相続の放棄をしなかったとき。
- 相続人が、限定承認または相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部もしくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、または悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。
ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、相続放棄した相続人が単純承認したことにはならない。